大野誠夫『薔薇祭』
川村ハツエ編『大野誠夫秀歌鑑賞200』(本阿弥書店)を読みながら、大野誠夫の歌集『薔薇祭』における戦後という時間・空間について考えていた。近藤芳美や宮柊二をおしのけて語るわけにはいかないだろうが、それでも、大野の抱える諦観に似た弱々しさが、きわめてリアルに見えるときがある。戦争へと連想がはしるすべての力強さを拒む、信ずるに足る弱々しさ、とでも言ったらいいか。
ミゾーリ号に調印せし日も遠くなり光の方へながれゆく音/大野誠夫
銀色に光れる罐を並べ売る白きインコを肩にとまらせて
音しづかにジープとまりぬいのち脆き金魚を買ひて坂下りゆく
何をしても無駄と知りつつ風の辻に呼びとめられてまた署名する
TrackBack
TrackBack URL for this entry:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/40919/966451
Listed below are links to weblogs that reference 大野誠夫『薔薇祭』:
Comments