2005年3月25日(金)
電話が鳴る。電話をかける。電話が鳴る。話している最中に携帯電話も鳴る。電話をかける。ファックスが来る。電話をかける。電話が鳴る。という感じで時間が過ぎていった。メールのやりとりが嵐のようになるのは珍しくないが、ひさしぶりにとても電話な一日だった。柴田瞳さんの第一歌集『月は燃え出しそうなオレンジ』について、一昨日、漠然とした感想を書いただけで、具体的な作品のことを書いていなかった。以下に引用するような、俵万智さんの、とりわけ硬質な部分からの影響を感じられる作品に、柴田さんの原型、あるいは、その人らしさみたいなものが見えるように思う。巧さの部分と個性とがきちんとリンクしていると言ったらいいだろうか。歌集後半に多くあらわれる、会話体を活かした作品もそれなりにおもしろかったけれど、やや性急に定型にことばを入れこんだ感触があった。自己の文体という観点を重んじるならば、以下の原型的文体をベースに会話体を活かしてゆく道筋もあるのではないかと感じたのだった。
進路志望調査の紙を渡されて何とはなしに見る梅の花/柴田瞳
迷いつつ行けば室蘭ナンバーの車に追い越される夏の旅
美人なら何をやっても許される嘔吐しそうな不条理をみた
忘我してしまいたい空 南天の紅きがそれを許しはしない
必要がないから退化したはずの翼が疼くような三月
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