« October 2005 | Main | December 2005 »

November 30, 2005

2005年11月30日(水)

十一月も末日となる。短歌ヴァーサス第8号、実製作のフィニッシュの作業へと進む旨、風媒社から連絡が入る。年内にかたちになるかどうかが微妙だなあ。午後、中京大学へ。講座「俳句を楽しむ」の十回目。夕刻からは栄へ。575の会の月例句会。すでに感想・反省会へと移行していた題詠マラソン2005も、深夜十二時でいよいよ終了。関係者、参加者、支援者のみなさんに感謝したい。夜中に会場の撤収作業をすることになりそうだ。俳句一句。

実南天から校正の朱をもらふ/荻原裕幸

| | Comments (0) | TrackBack (0)

November 28, 2005

2005年11月28日(月)

親鸞忌。報恩講につき大学は休講。こういうのって陰暦で行われるのだと勝手に思っていたが、そうでもないらしい。某紙の収穫本アンケートでとりあげるものを確認するため、書斎中をひっくり返すことになった。これでついでに部屋の整理も進んでくれればしめたものなのだけれど、そんな都合の良い展開になるはずもなく、何が何だかわけのわからない風景が眼前に広がってゆく。アンケートを書きあげるころには、書斎はいわゆる腐海の森と化したのだった。もともとそうだったと言えばそうなのだが……。俳句一句。藤原龍一郎さんのウェブ日記を読んだ印象から。揶揄と「俳」との違いを考えながら。

藤原と言へば月彦からつかぜ/荻原裕幸

| | Comments (0) | TrackBack (0)

November 25, 2005

2005年11月25日(金)

三島由紀夫忌。歌集『デジタル・ビスケット』のあとがきを書いてからちょうど五年が経ったのだと気づく。終日、インタビューの編集作業。夜になってやっと完了した。原稿を編集部に送信して脱力。結社誌「塔」11月号を読むと、西之原一貴さんが、短歌時評で、歌葉新人賞に対しての批評と批判を書いていた。それ自体はたいへんにありがたいと感じるのだが、ある作品を「ほとんど模倣に過ぎない」と断定する理由の危うさと、仮にその危うさを見解の相違によるものだとするにしても、実際の数値が一割にも満たない(1〜2%ではないのか)事態を指して「自家中毒現象」と呼ぶ強引さに、不可解なものを感じた。作品読解をめぐる溝がかなり深いのだろうか。俳句一句。

橋桁をひとり見てをり憂国忌/荻原裕幸

| | Comments (0) | TrackBack (0)

November 24, 2005

2005年11月24日(木)

冬になったせいか、巷が物騒なせいか、マンションのこどもたちが家のなかにいる時間が長くなった。がやがやしてはいないが、どんどんしたりごんごんしたりどかんどかんするのですぐわかる。夕刻、美容室で髪をカットしてもらう。伸びるのが早いわけではないものの、なんとなく行きそびれていることが多く、二か月に一回のペースなので、カットの前後で顔の印象がずいぶん違う。しばらくは自分でもなじめないだろう。もっとまめに行くべきかな。その後、家人と熱田のイオンで買い物。昨日につづきインタビューの編集で四苦八苦。俳句一句。

冬夕焼階下に何かつどひをる/荻原裕幸

| | Comments (0) | TrackBack (0)

November 23, 2005

2005年11月23日(祝)

勤労感謝の日。感謝する余裕もなく終日机に向かう。短歌ヴァーサスの第8号に掲載を予定している岡井隆さんのインタビューの編集作業。短歌評論についてあれこれ話をしてもらっている。下起こしでの不明点を補完して、雑談的な箇所を削り、内容と流れと空気と口調を活かしたまま全体を再構成して、予定の分量へと近づけてゆく。と、作業のプロセスを書くのは簡単だけれど、奥行きのある部分が多く、一行をめぐって考えこんだりもするので、数日はかかりそうだ。これが完了すれば第8号は一段落か。俳句一句。

謎さらに深し初霜まだ降るな/荻原裕幸

| | Comments (0) | TrackBack (0)

November 22, 2005

2005年11月22日(火)

きょう、やっと都合がついて、夕刻、家人と近所の内科へ。インフルエンザの予防接種をしてもらう。予防接種なんて義務教育以来だし、懐かしくて意味もなくわくわくしたのだけど、行列もないし、痛みもないし、実にあっけなく終ってしまった。14日に書いた川柳の件、なんの菅野さんが19日付の「川柳日記」で訂正してくれた。感謝。それでも生じる異論については、少し時間をおいてあらためて考えてみようと思う。俳句一句。

短日の小径まがれば小径ある/荻原裕幸

| | Comments (0) | TrackBack (0)

November 21, 2005

2005年11月21日(月)

午後、同朋大学へ。小説の表現についての三回目。池澤夏樹の短篇を題材に。講義後、伏見の喫茶店で加藤治郎さんと会う。歌葉関連の打ちあわせや情報交換や雑談。悩んだり驚いたり笑ったりする。俳句誌「」第17号が届く。「俳句にとっての塚本邦雄」が特集されていた。江里昭彦さんの「笑いながら塚本邦雄からたち去る」を読んで、まったくの同意見ではないけれど、塚本邦雄をめぐるある種の違和感を、いまでは懐かしささえ感じられるその感覚を、巧く説いているなあと感心する。俳句一句。名古屋の冬はぼんやりしていて、冬晴の語感を思わせるような日は少ない。佐久とか富山とか、友人のいる街を想像しながら。

冬晴や音なきものに歩み寄る/荻原裕幸

| | Comments (0) | TrackBack (0)

November 20, 2005

2005年11月20日(日)

東京泊。午前、神保町界隈へ。ここを見はじめるときりがないので、三省堂書店と東京堂書店の詩歌の棚だけを細かくチェックする。二箇所とも『デジタル・ビスケット』があったので、誰かに読んでもらえるようおまじないのことばをかける。三省堂には短歌ヴァーサスの7号が平積みされていた。東京堂には丸山進さんの句集他、企画した風媒社の詩歌本が揃っていた。ありがたいことである。東京国際女子マラソンの沿道に集う人ごみを抜けて駅へ向かう。午後、帰名。松村由利子さんがウェブマガジン「」に「語りだすオブジェ−短歌で読む日常」という短歌鑑賞のコラムを連載しているのを見つける。歌ことば事典風で、歌集紹介も兼ねている。ぼくの歌もフランスパンの回で鑑賞されていた。松村さんと言えば、第二歌集『鳥女』(本阿弥書店)が刊行されたばかり。フェミニズムとは微妙に違う角度から労働する女性としての自己像を照らし出す。

キッチンに光あふるるこの朝もどこかで女が殴られている/松村由利子

| | Comments (0) | TrackBack (0)

November 18, 2005

2005年11月18日(金)

ひたひたと真冬が近づいている感じ。名古屋でも冷えこむ日が多くなった。リビングではときどきストーブを使っている。書斎では積みあげたり崩れたりしている本の整理ができていないのでストーブが使えない。金曜までには、と思って進めていた仕事がいくつか残ってしまう。来週もどたばたしそうだ。風邪に気をつけよう。インフルエンザの予防接種もしなければ。明日は午後から上京して座談会に出る予定。少し予習。東京は寒いのだろうか。

| | Comments (0) | TrackBack (0)

November 16, 2005

2005年11月16日(水)

午後、中京大学へ。講座「俳句を楽しむ」の九回目。ジャスコで買い物をして帰宅。先週から、平日も週末も、ずっと予定にひきずられっぱなしで、疲労がピークになっているのか、午睡をしたら泥のような眠りがやって来た。岡崎裕美子さんの第一歌集『発芽』(ながらみ書房)が刊行されている。以前からこの人の歌には何かが欠落しているという印象を持っていたのだが、歌集を読んでみて、なんとなくわかったような気がした。短歌で自己像が構築されると、ほとんどの歌人は、世界と自己との関係を一定に保つ。厳しい現実として世界を捉えるか、逆に甘く明るい世界を見てしまうかの違いはあっても、いったん定まった関係はほとんどぶれない。岡崎裕美子の歌には、この、関係の一定性が欠落している。と言うか、関係そのものが欠落していて、飢餓を感じて食べものに飛びつくように世界に対して迷わずに手を伸ばすか、完全に弛緩して世界などどこにあるのか意識してもいないか、この繰り返しが無防備に晒されているようだ。性愛の歌がきわだつのも、そんなところに理由があるのかも知れない。いろいろな人が出て来るよなあ。以下、付箋をほどこした歌から引用してみる。

年下も外国人も知らないでこのまま朽ちてゆくのか、からだ/岡崎裕美子
肉食んで皆が呆けていたりけり誰もが誰かに似ている真昼
明け方のタクシーで来る肉体を待つ間の吾の本当の闇
初めてのものが嫌いな君だから手をつけられた私を食べる
その人を愛しているのか問われぬようごくごくごく水、水ばかり飲む
海に行くように逃げ込む午後二時の私の中の非常階段
泣きそうなわたくしのためベッドではいつもあなたが海のまねする

| | Comments (0) | TrackBack (0)

November 15, 2005

2005年11月15日(火)

午後、ねじまき句会の例会。題詠「霜」。出詠11人、出席10人。季語でもある語が川柳句会の題になっているとき、どうも読解や基本的な評価についての足並みが揃わなさ過ぎる、という印象を持ってはいたのだが、「霜」が季語であるなどということはすっかり忘れていて、議論を進めている途中、今回も例外ではなかったのだなと気づいた。句会終了後、有志三人で居酒屋へ。ひさしぶりに焼酎を飲む。ロックで飲むのがいい、という店のお兄さんの助言を無視して、米の焼酎を水割りやお湯割りにしたら、味も匂いも何もなく、濃い水を飲んでいるみたいな不思議な味だった。短歌ヴァーサスで特集を組ませてもらったばかりの水原紫苑さんが、歌集『あかるたへ』(河出書房新社)で、第10回若山牧水賞を受賞したという。慶祝。

| | Comments (0) | TrackBack (0)

November 14, 2005

2005年11月14日(月)

午後、同朋大学へ。ひきつづき小説の表現について。伏見のキンコーズに寄ってから帰宅。なんの菅野さんの11月12日付の「川柳日記」を読んだら、ぼくが書いた丸山進さんの句集の栞文のなかの川柳観について感想があった。あの栞文をそうやって切り取るのか、と思って苦笑したが、書いたからにはこちらの責任ということである。ただ、一点、困ったミスタイプがある。「新聞川柳」という一定のメディアによって作家や作品をカテゴリー化するような語をぼくは使っていない。使わなかった理由は、栞文を書いたとき、そのようなカテゴリー化を避けたかったからだ。現代の新聞紙上で読む投稿/入選作品には批判したくなるものも多いと感じているけれど、新聞川柳という場、を丸ごと批判する気など毛頭ないし、むしろ場として多くの期待を抱いていることを申し添えておきたい。

| | Comments (0) | TrackBack (0)

November 11, 2005

2005年11月11日(金)

午後、氏神と言うのか産土神と言うのか、つまりご近所の神社へ、家人と一緒に参拝に行って来た。引越をしてからかなり長いのに、実はこれがはじめての挨拶なのである。途上、声のような音のような奇妙な音が聞こえた。通りの向こう側を見ると、男性の腕に鷹がいる。鷹!? 甘えたような声をあげるその鷹を呆然としながらしばらく見つめていた。鷹匠さんがご近所にいたとは……。そのあと公設市場に寄って、店頭の茄子を見た家人が、あとは富士を見れば三つ揃うなどと言うので笑う。あれは順位で、揃えるものではないよ。猪鹿蝶とかじゃないんだから。藤原安紀子さんの詩集『音づれる聲』(書肆山田)を繰り返し読んでいるのだけれど、読めた、という感覚がなかなかやって来ない。

| | Comments (0) | TrackBack (0)

November 10, 2005

2005年11月10日(木)

先日、スパムメールの山のなかに「彼方に投資します」というサブジェクトのものがあって、どこかしら漂うニヒリズム的な印象に、一瞬、文学系なのか、と誤解したのだけれど、実はスパムによくある誤植的打ち換えで、貴方に投資します云々というおそろしくくだらない内容だった。やれやれ。夕刻から東桜歌会の例会。題詠「柿」。出詠は11名、出席10名。富山から島なおみさんが参加。参加メンバーの平均年齢が下がっているせいか、場の意見を歴史的文脈につなげるのがむずかしかった。何か少し対策を考えた方がいいのかも知れない。終了後はいつものように有志で居酒屋へ。深夜、帰宅。

| | Comments (0) | TrackBack (0)

November 09, 2005

2005年11月9日(水)

午後、中京大学へ。講座「俳句を楽しむ」の八回目。摂津幸彦の句がなぜわかりにくいのかという話などする。受講生さんたちと珈琲を飲んで、郵便局と銀行とジャスコで所用を済ませて帰宅。ところで、攝津幸彦の話をしながら、加藤治郎が『短歌レトリック入門』に書いた「ゆがみ」について考えていた。たとえば句集『鸚母集』の「自動車も水のひとつや秋の暮」の「水」の周囲には、加藤の言うゆがみに類するものがある。「水」ではなく「夢」「家」「景」「郷」等であれば、意味が掴める状態になるのに、よりにもよって「水」なのである。意味として構築されるはずの構文を、途中で、語/音の価値をベースに推敲するからこうなるのではないだろうか。というのは、一昨日、自身の『世紀末くん!』を再読して考えていたことでもある。

| | Comments (0) | TrackBack (0)

November 07, 2005

2005年11月7日(月)

午後、同朋大学へ。きょうから数回は小説の表現の話。物語と小説の違いのことからはじめ、村上春樹の短篇について構造を一部解析してみた。急逝した本田美奈子.にかかわる報道を見ていたらやたらに切ない気分になる。某社から現代短歌のアンソロジーのゲラが届く。ぼくは三十首を出稿。代表作一首には編者の鑑賞文が付される。この種の大分量のアンソロジーは、一昨年の篠弘編『現代の短歌−100人の名歌集』(三省堂)以来か。女性歌人だけでの編および鑑賞が特徴だという。新年には刊行されるらしいので、そのときにあらためて紹介する予定。校正をしながら、ひさしぶりに自身の歌集を通して読みなおす。

| | Comments (0) | TrackBack (0)

November 06, 2005

2005年11月6日(日)

豪雨、とまでは言わないけれど、かなりはげしい雨。この数日、ひたすら歌稿を読み、文書編集ソフトの裏技を探し、電卓を押し続けていた。将棋の瀬川晶司さんが編入試験の第五局に勝って、五分以上の成績を確定、プロ棋士になれたらしい。慶祝。マスメディアは、華やかな印象の報道ばかり流すが、編入するフリークラスには、規定の成績をあげて上位クラスへ昇級しないと十年で引退になるというリスクがある。将棋と短歌では比較するのも変だけれど、十年以内に歌集がある程度のレベルでブレイクしなければ引退という感じかも知れない。本日、毎日新聞の「毎日歌壇」に、ぼくの書いた、加藤治郎『短歌レトリック入門』の書評が掲載される予定。よろしければ、ご覧下さい。

| | Comments (0) | TrackBack (0)

November 05, 2005

2005年11月5日(土)

どこかで書いたつもりだったのだが、つもりになっていただけでまだ書いていなかった……。先月の8日に短歌ヴァーサスのウェブに書いた「大事件」の、どうしても思い出せなかった懐かしい本の正体がわかった。古田足日『まちがいカレンダー』。水須ゆき子さんが調べるのを手伝ってくれて判明した。感謝。ネットの書店でユーズドの本を入手して実物での確認もできた。本の背表紙には「アキラのうちの郵便うけに、サクラ銀行からのカレンダーが投げこまれていた。みると、11月に31日があり、アキラの誕生日の12月1日がないのだ。……」などと書かれている。やはりわからないことは一人で抱えずに素直に訊ねてみるものだなあと思った次第である。ちなみに本日は「笑芸歌」。具体例をきちんと入れるべきであったかも知れない。よろしければ、ご覧下さい。

| | Comments (0) | TrackBack (0)

November 03, 2005

2005年11月3日(祝)

午後、名古屋市内の某ホテルのラウンジで某氏にインタビュー。昨夜はこのインタビューの予習にかかりっきりだったので、帰宅後、あたふたと急ぎの書評にかかる。できるだけわかりやすく紹介的に、というリクエストがあり、それに応えるような感じでまとめて、夜、編集者にメールで送る。雑誌「詩歌句」秋号、さいかち真さんが、塚本邦雄の追悼文「『魔王』のユーモア」を書いている。一九九〇年を過ぎた頃の塚本の作品に、ニューウエーブへの皮肉めいた感じのものがあり、ぼくの作品などを連想して吹き出したという。実はぼくも当時同じことを感じて吹き出していた。ただの自意識過剰でもなかったようでほっとした。

幾何学的に真向幹竹割を説くこの青二才愛すべきかな/塚本邦雄

| | Comments (0) | TrackBack (0)

November 02, 2005

2005年11月2日(水)

早朝、ファックスで起きる。書評の依頼。なぜこんな時間に、と不思議に思いながら書面を読むと、締切が金曜の午前……。なるほどね……(泣)。午後、中京大学へ。講座「俳句を楽しむ」の七回目。大学祭が近いようで、キャンバスの学生たちが楽しそうに模擬店づくりを進めていた。中京大学と言えば、佐藤房儀教授が、先月29日に亡くなったという。享年66歳。訃報を知るのが遅れたせいもあるが、年齢から考えてまったくぴんと来ず、ただ驚くばかりである。萩原朔太郎をはじめとした近代文学の研究者で、筑摩書房の『萩原朔太郎全集』の編集委員でもあった。ご冥福をお祈りしたい。

| | Comments (0) | TrackBack (0)

November 01, 2005

2005年11月1日(火)

名古屋市緑区にある学習塾「BST学院」のホームページができた。ねじまき句会のメンバーの宮川尚子さんは、この塾のスタッフでもある。クリエイターさんを紹介した縁で、昨今のこどもたちの話をいろいろと聞くことができて、勉強とコミュニケーションの併存した場がいまもあることに感動したりした。管理掲示板の書きこみをメールで受信しているため、題詠マラソンの投稿締切となった昨日、スパムなどもすべてあわせて、受信メールが3000通を超えた。メーラーが何度かクラッシュし、OSも一度言うことをきかなくなる。今日も300通以上あったのだが、メールがほとんどないような錯覚が生じる。深夜、佐藤りえさんと電話、打ち合わせ、もろもろ。

| | Comments (0) | TrackBack (0)

« October 2005 | Main | December 2005 »