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December 28, 2005

2005年12月28日(水)

短歌ヴァーサスのウェブの年内の更新は今日28日まで。執筆者、読者、関係者に深く感謝したい。新春は5日から。新しい執筆メンバーとなる。午後、思潮社から「現代詩手帖」1月号が届く。連載している短歌時評「うたの凹凸」は十回目。今回は同誌11月号の岡井隆特集について書いた。本日付の朝日新聞中部版夕刊に詩歌時評「東海の文芸」の年間回顧を執筆した。風媒社から、宅配便で短歌ヴァーサス第8号の見本、ならびにメールで第9号の未整理の座談会原稿等が届く。今年も仕事にきりのつかない年末となりそうである。

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December 27, 2005

2005年12月27日(火)

午後、風媒社から連絡、短歌ヴァーサス第8号の見本ができたという。見に行く余裕がないので、宅配便で送ってもらう。今回は作家特集として加藤治郎さんをとりあげた。それともう一つ、短歌評論をめぐっての特集。これには岡井隆さんのインタビューを組みこんだ。年末ぎりぎりに見本が出たので、配本は一月下旬となる見込み。経歴を提出しなければならない用件があって経歴をまとめる。まとめたものを読み直して、嵩張るわりには身軽だなあと苦笑。年内最後の回収日が明日なので新聞の整理をする。

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December 24, 2005

2005年12月24日(土)

午前、地震。名古屋市瑞穂区は震度4だったという。揺れたなあと感じたわりには何事もなく、書斎に積みあげてある不安定な本の山も崩れなかった。午後、家人が雪道で転んだと聞いた義姉が、チタン系の健康用品をもって来てくれる。義母からは大怪我をしたんじゃないかと心配して電話が入る。恐縮する。夕刻から家人と星ヶ丘に出かける。配字歌一首。

    星
   緑魚鳥
  金銀雪達磨
 馴鹿赤き服響け
    鈴      /荻原裕幸

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December 23, 2005

2005年12月23日(祝)

天皇誕生日。という祝日が今日であることにどことなくピンと来ないままですでに二十年に近い歳月が経過している。昨日の名古屋はふたたび大雪で、夜、買い物に出たとき、家人が雪道で転ぶ。怪我はなかったのだけれど、転んだときに首を少し痛めたらしく、今日もまだ調子が悪いという。午後から夜にかけて、新聞の年間回顧の詩歌時評と短歌ヴァーサスのウェブのコラム。原稿をまとめて、それぞれの編集部にメールで送る。夏の気候がよかったためか、この冬の林檎は大粒でおいしいものが多い。主に蜜入りのサンふじを食べている。俳句だと林檎の季がややこしいことになるので、短歌一首。

林檎剥き終へたのどかな表情が冬の端から世界を齧る/荻原裕幸

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December 22, 2005

2005年12月22日(木)

冬至。短歌ヴァーサスのウェブ、現在のメンバーでのコラムの執筆は来週28日まで。最後の一週間に入った。上田信治さんのブログ「胃のかたち」、昨日付で書かれていた「当て振りとしての俳句」を興味深く読む。欧米ではカリグラムという意識なしには成立しないことが、表意文字の言語圏では無意識に近い状態で成立するのがおもしろい。昨日、風媒社から、伊津野重美さんの第一歌集『紙ピアノ』が完成したとの連絡を受ける。時期からして配本は一月になりそうだけれども、サンプルを読みながら、一足先に楽しませてもらっている。

手のひらに記憶してゆくしんしんと眠れる人の頭蓋のかたち/伊津野重美

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December 20, 2005

2005年12月20日(火)

午後、ねじまき句会の例会。題詠「走」。出詠11人、出席8人。昨年の三月が初回なので、これで二年目を終了したことになる。相互批評はそれなりに充実しているという気がするけれど、川柳に対する史観がどことなく不安定で、今後の課題だと感じている。終了後、有志で居酒屋へ。夜、家人と買い物。食べるものをまとめて買いこんだら、二人で三階まで運ぶのに一苦労だった。俳句一句。

永遠をまだ見ぬままの海鼠かな/荻原裕幸

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December 19, 2005

2005年12月19日(月)

午後、同朋大学へ。今回は短詩型三ジャンルについて概論的な話をする。年内の講義はこれで終了。結社誌「短歌」12月号に、田中槐さんと菊池裕さんの電子メールによる対話「言葉と声・朗読の快楽」が掲載されている。短歌朗読というとりあえずの流行が、生産的なものとして一般化されるか否か、重要な時期にさしかかっているわけだが、こうして朗読観を文字化してゆくのはとても大事なことだと思う。昨深夜、たっぷりと雪が降り積もったところで家人と外へ出る。誰も踏んでない雪の上に片っ端から足跡をつけて、マンションの中庭を二人で歩きまわる。唱歌の犬と同レベルか……。その後も雪は降り続き、朝になると、美しいような怖ろしいような不思議な風景が広がっていた。俳句一句。

雪つぶて鼻先かすめ雪に消ゆ/荻原裕幸

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December 18, 2005

2005年12月18日(日)

大雪なんて言うと北に住む人に笑われそうな気もするけれど、名古屋としてはたぶん珍しい大雪である。風媒社のサイトに刊行案内が出たので、夏瀬佐知子さんの第一歌集『月に吠える ふり』をあらためて紹介する。3日のブログでも書いたように、一見ふわふわした文体の核に硬質なものがあって、ややあって全体が実は緻密な結晶になっているのに気づく、というのがぼくの印象。ふわふわした感じがある分、かえって核に含まれた痛みがあとから何倍にもなって広がりはじめるようだ。連作としての魅力も語りたいが、そのあたりは読んでたしかめていただければ幸いである。田中槐さん斉藤斎藤さん石井辰彦さんが、必読的な興味深い栞文を寄せている。好みで選んだ作品を以下に引いておく。

聖域を残して暮らす家族なら安心でしょう抱き合えるでしょう/夏瀬佐知子
包丁は持って行きます真夜中に研ぐと気持ちが落ち着くのです
見えるものあなたとわたし違うのね ここにあるのに違うのですね
あなたにもすてきに青くしみるよう言ってみますねお休みなさい
恐竜がほろびたように人間もほろびるだろうその前に ちょっと

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December 17, 2005

2005年12月17日(土)

午後、実家に行く。父も母もあいかわらずで、のどかな感じだった。往復、実家の周辺をひさしぶりに眺めながら歩いたところ、店舗も住宅も空地も道路もずいぶん変貌して、見知らぬ風景がやたらに多かった。断片的に残された懐かしい風景が、むしろ懐かしいものがどうしようもないほど失われたことを教えてくれていた。驚きはするが、特に深い喪失感が生じるわけではない。生家から数キロという微妙な場所に住んでいることが、そうした無感覚を自分にもたらしているのだと思う。歩きながら、自分は、短歌でも、同じような場所に住んでいるのかも知れないなと考えていた。一首。

ニュースにはならぬ悼みのみづあふれあをき器として冬をゆく/荻原裕幸

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December 15, 2005

2005年12月15日(木)

午後、風媒社で打ちあわせ。編集部にあった『12歳からの読書案内』(金原瑞人監修、すばる舎)のサンプルを見る。東直子さんの執筆で、歌集歌書がいろいろ紹介されるなか、企画を手がけた、風媒社の、石川美南さん佐藤りえさん千葉聡さん伴風花さんの四人の四冊の歌集がラインアップされていた。ありがたいことである。プロ野球の、仰木彬さんが亡くなったという。選手時代は知らないけれど、監督としては、奇策が多く、不思議な華のある人だったと思う。仰木さんが育てた名選手を登場させた作品を歌集から引いて、ご冥福を祈りたい。

サボテンに苦情を言つてゐるやうに白球を投げてゐる野茂英雄/荻原裕幸
政変未遂とあの日の合歓とイチローの打球の軌跡まなうらに棲む

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December 14, 2005

2005年12月14日(水)

午前、原稿を一本書きあげてメールで入稿。昨深夜から難航してなかなかしあがらなかったので眠りそこねた。内容で難航したと言うよりは二次会での酒の飲み過ぎのような気もするが……。午後、仮眠。夕刻から栄へ。575の会の月例句会。夜、帰宅。眠くてしかたないが、仕事。気分転換に、配字歌一首(各行30文字程度の表示幅を要する模様)。





世                          ア
界                 ナ
が                     リ
折                カ
れていつからかうすむらさきの声の             /荻原裕幸

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December 13, 2005

2005年12月13日(火)

あちらこちらで雪が降ったらしい。午後、読書会。参加者7名。テキストは、高橋哲哉『靖国問題』(ちくま新書)。きわめて明晰なロジックでとてもわかりやすい本だったが、現実にそこにある靖国問題を解決するために、実際に何をどうすべきなのか、頭のなかで何かがぐるぐると回りはじめる。終了後、朝日新聞名古屋本社の社外筆者の謝恩パーティへ。出席していた歌人は、加藤治郎さん、大塚寅彦さん。風媒社の劉永昇さんが来ていて校正紙の束をみやげにもらう。大学時代に講義を受けた坂田新先生に声をかけられて恐縮する。漢詩を啓蒙していただいた恩師である。二次会にも顔を出す。深夜、帰宅。俳句一句。ずっと十三文字の縛りで書いていたのだが、今日のははみ出した。

ありえない所に雪が積もりをり/荻原裕幸

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December 12, 2005

2005年12月12日(月)

干支関連の商品が巷に出揃っている。戌年の定番のやけにかわいらしくデザインされた狛犬の置物があるけれど、昔からどうもあれが猫に見えてしかたない。家人の前でうっかり、猫の置物が云々、と話しはじめると、いたく憐れむような表情を浮かべながら、狛犬、と訂正される。でも、猫に見えないかな。午後、同朋大学へ。ひきつづき現代詩について話す。詩歌諸ジャンルが形成された大筋の流れについても話す。ずいぶん冷えこんでいるようだったので少し厚着をして出かけたところ、校舎ではコートを脱いでも暖かかったり暑かったり。結局うっすら汗ばみながら講義をする。帰路はいっそう冷えこんだ。俳句一句。

息しろき列の撓みに加はりぬ/荻原裕幸

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December 09, 2005

2005年12月9日(金)

午後、家人が運動不足だという。二人で近隣を歩く。風景が寂しいせいか、途中で喫茶店に入ったり食事をしたり買い物をしたりしているので、運動と言うほどの運動にはならないのだけれど、机に向かってばかりでからだが固まった感覚は解消された。「現代詩手帖」12月号が届く。12月号が年鑑を兼ねているので刊行日がスライドしたらしい。この号、短歌時評は一回休みで、藤原安紀子さんの詩集『音づれる聲』の書評を寄稿した。俳句一句。漱石忌で書いてみようかとも思ったが、いかにも、冬ざれ、という風景のなかを歩いた日なので。

冬ざれやドロップ缶を灰皿に/荻原裕幸

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December 07, 2005

2005年12月7日(水)

午後、中京大学へ。講座「俳句を楽しむ」、秋期の最終回。終了後、受講生さんたちとお茶をする。同講座、来年春期もひきつづき担当することになった。短歌は嫌でも嫌というほど読むことになるが、俳句は何かきっかけがないと読むのをさぼりがちになる。ありがたいきっかけである。朝日新聞の夕刊の文化欄、たぶん東海版だと思うが、加藤治郎さんのエッセイが掲載されていた。日常の断片をコラージュして心象を投影するような文章で、新聞では珍しいかも。地方版の強みということか。短歌ヴァーサス第8号の表紙撮影の様子なども断片的に記述されていて、ふふ、と思う。俳句一句。折々即詠的にまとめながら、将棋の感覚でチェスを指しているようなおぼつかなさを感じている。

折り返す靴音を聴く寒さかな/荻原裕幸

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December 05, 2005

2005年12月5日(月)

寒い一日である。名古屋、初雪が降ったらしいが、まるで気づかなかった。何か勿体ないような、損をしたような気分だ。午後、同朋大学へ。今回は現代詩の表現について。谷川俊太郎の詩を題材にあれこれ話す。先月あたりから詩歌関連の本の刊行ペースがあがっているようで、まとめて届き、まとめて目を通すことが多いため、思考の焦点がぼんやりとした感じになっている。順に落ち着いて読めばいいことなのだが、本の山ができると、どうしても焦燥的に頁を繰り続けるのを抑えられなくなる。ある種の病なのかも知れない。俳句一句。

右顧左眄して初雪を見損なふ/荻原裕幸

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December 03, 2005

2005年12月3日(土)

午前、打ちあわせのため風媒社へ。あれやこれやそれについて話す。夏瀬佐知子さんの第一歌集『月に吠える ふり』ができあがって来ていた。夏瀬さんの作品は、過剰なほど柔らかい文体のなかに微小で硬質な核があり、この核に気づくとまわりのふわふわが実は緻密な結晶なのだとわかる。田中槐さん斉藤斎藤さん石井辰彦さんが、栞文でそれぞれのアングルから夏瀬さんの世界を説いていて、読み直して爽快な気分になった。風媒社から近刊の予定。配本後にあらためて紹介するつもりでいる。午後、打ちあわせを終え、週末的な活況の大須を一人で少し歩く。万松寺の「にらい」で沖縄そばを食べて帰宅。

一年が経っていました長いのに驚きました慣れないもので/夏瀬佐知子

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December 01, 2005

2005年12月1日(木)

十二月。仲冬ではなく年の暮という感じ。でもまだ実感はない。時間が一気に加速するまで、もう少し間があるのかな。あるいは、こちらのすきを見ていきなり加速しはじめるのだろうか。午後、東桜歌会の詠草をまとめてプリントを作成する。二人から病欠の旨、電話が入る。お大事に。夕刻から例会。題詠「柊」。出詠は11名、出席9名。来年からの歌会運営のことなどを参加メンバーと相談する。ウェブでの詠草公開についても少し話をする。歌会の後、有志と居酒屋で歓談。深夜、帰宅。俳句一句。

十二月一日といふしじまかな/荻原裕幸

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