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March 11, 2006

2006年3月11日(土)

短歌ヴァーサスのウェブ、きょうのエッセイは、水無田気流さんの第一詩集『音速平和』(思潮社)の作品について書いた。午前、近鉄で大阪・上本町へ。「セレクション柳人」発刊記念川柳大会に参加する。邑書林のシリーズ句集についてのディスカッションと句会で構成されたイベント、参加者は90人弱だったそうだ。石部明さん、石田柊馬さん、樋口由紀子さん等のコメントの随所に、ある種の達成感と満足感が迸って、聞いているだけで熱くなるものがあった。慶祝。懇親会まで参加して、深夜、名古屋に帰ると、駅頭で携帯電話が鳴る。朝日新聞社のAさんから。山中智恵子さんが9日に亡くなったのだという。急ぎ帰宅、Aさんにコメントを流す。ご冥福を。

春の獅子座脚あげ歩むこの夜すぎ きみこそはとはの歩行者/山中智恵子

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March 10, 2006

2006年3月10日(金)

深夜に仕事をしていると、いつからいつまでが「今日」なのかという感覚がぼんやりしてしまう。家人と会話をするなかでも、たとえば、昨夜とは言わず、何曜日の夜に何々した、という具合に、今日を基準にしないものの言い方になる。食事の呼び名も、前のごはん、次のごはん、とか言っている。夕刻、所用を済ませるため、家人と雨のなかを歩いて外へ出る。沈丁花のかおり。二人で肺いっぱいになるまで吸いこむ。あすは四月下旬の気候という話で、このまま陽春かと思えば、週が明けると真冬の冷えこみになるという。

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March 08, 2006

2006年3月8日(水)

短歌同人誌「pool」第4号を少しずつ読んでいる。自己主張、自世代の素描などがぐんと前面に出ていて、端的に言えば、嫌な感じになって来たなあ、という逆説的な好感をもっている。上の世代の読者であるぼくが「嫌な感じ」をもつというのは、たぶんそこに何か自身の想定の範疇にない動きの兆しを感じるということだと思う。嫌な感じ、ゆえに、楽しみでもあるわけだ。連日、風媒社の編集部からあれこれ連絡が入る。現在、短歌ヴァーサス第9号の最終に近い校正が進んでいる。今月末あたりにサンプルができるかどうかというところか。

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March 07, 2006

2006年3月7日(火)

少し前から昼夜がすっかり逆転していて、眠っても覚めてもどうもすっきりとした気分にならない。午前、郵便を投函に外に出たついでに週刊誌を買う。週刊文春を見ると「女子大生歌人小島なおの母は短歌界一の美人」という見出しで、小島母娘の記事が掲載されていた。本文を読むと、見出しは編集者の某氏のコメントの抜粋で、こういうのはまあなりゆきなんだろうけど、せめて小島ゆかりさんの短歌を一首くらいは紹介してあってもいいのにと思う。第七歌集『憂春』(角川書店)から、大好きな歌を一首引用しておく。あり得ないはずの空間がロマン主義的な匂いを一切帯びずにたちあがるのが好きだ。

今日ことに鏡の奥の澄みをればもしものときはそこから逃げん/小島ゆかり

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March 04, 2006

2006年3月4日(土)

短歌ヴァーサスのウェブ、きょうのエッセイは、佐藤真由美さんの第一歌集『プライベート』(マーブルトロン/集英社文庫)の作品について書いた。共有感の高い無名性のようなところが多くの読者に好まれているようだが、それとは正反対の私事性の強い作品が、表題の通り、この歌集の核になっているように思われる。某結社から依頼のあった歌集書評を一本まとめる。某原稿の準備で、川柳の資料をまとめて読む。川柳史における近代化の過程というのが、どうもうまく掴めずに考えこむ。

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March 03, 2006

2006年3月3日(金)

桃の節句。午後、和菓子処に行くと、楽しげにショーケースを眺めている母子とか、どうやら孫の家に行くために何かを見つくろっているらしき夫婦とか、それらしい空気がただよっていた。桜餅を買って帰る。父と母が来る。例によって食糧をどっさり抱えて。ひな祭だからなのか、ちらし寿司の材料もセットになって入っていた。これは夜の食卓に。しかし、ひな祭にちらし寿司というのは、たしか実家でも食べた記憶があまりないなあ、と思っていたら、家人がやけにうきうきしているので、なるほど孫はいないけど「女の子」がいるわけね、と笑って納得した。男ばかりの家だったので、切実そうに、女の子がほしい、と言っていた母のむかしの口癖を思い出した。

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March 02, 2006

2006年3月2日(木)

午後、東桜歌会の詠草をまとめてプリント作成。夕刻から例会。題詠「魚」。出詠12名、出席10名。例会も今月で99回を数えた。来月三桁になる。歌会の後、有志と居酒屋で歓談。深夜、帰宅。少年期に読んだマンガで、自然の風景を無心に眺めて何かを悟る、という場面をしばしば見かけた。滝を見て忍術の極意を得たり、山を見て必殺技のヒントを得たりするのだ。常識のフィルターを外すというあれである。後に、文芸の方法論としての写生がこの発想に似ているのを知って、マンガからの強い影響もあってか、かなり惹かれたけれど、最終的な表現形態がことばであるのならば、まずはことばの常識のフィルターを外すことからはじめなければ、と思ってそのまま現在に到っている。

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