2008年2月25日(月)
羽海野チカさんの『3月のライオン』第1巻(白泉社)を入手して読む。ヤングアニマルでの連載は未見、完全な初見状態で読んだのだが、期待していた以上に楽しめる世界だった。将棋マンガに特有の「勝負師」の典型を求めるような印象がなく、いわゆるチャイルドブランド以降の「研究者」的なプロ棋士の姿を描いているのが、自分の好みにあうみたいだ。それと、先崎学八段の監修力や挿入されたエッセイも卓抜だと思う。むかし盤に並べたことのある名局の棋譜が、そのまま作中で活用されていたのがわかって、ノスタルジア的なくすぐりを感じたりもした。そうした骨格の部分に加えて、第二のハチクロ的な世界がひろがっているわけだから、考えてみれば、かなり贅沢に楽しめる作品だと言える。
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蛇足的な話だが、『3月のライオン』で、桐山零と二海堂晴信が対戦した夏休みの子供将棋大会というのは、名古屋の東山公園でも毎年開催されていて、中学校一年生のときに、ぼくも一度出場したことがある。さして強かったわけでもないが、イベントとなると実力以上のものが出る性質で、ベスト8まで勝ちあがって、準々決勝で敗退した。優勝すると日本将棋連盟から初段の免状がもらえたのだが、実際には二段か三段クラスの力がなくては優勝は無理だと聞いていた。当時のぼくの棋力は、推定で二級か三級程度だったので、先に敗退した将棋仲間が、ぼくが勝つたび、とても不思議そうな顔をしていた。暑さ、と、負けたくない、に満ちた作中の対局シーンを読みながら、かすれにかすれたそんな記憶を辿っていた。
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きょうの一首。自分はいまどんな木だろう、などと考えながら。
影の濃い木と薄い木と見あたらぬ木があるひるの梅園をゆく/荻原裕幸
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Comments
初めて寄せていただきました。
荻原さんのことは岩波新書の「短歌パラダイス」で存じ上げました。
有名な歌人の方へこんなに気軽にコメントして良いのだろうか…???
とビビリながらも…先日息子に「3月のライオン」買って!と言われたもので…それだけで書いております(汗)
うたをよみはじめて半年の超若葉マークで、
25日に未来短歌会へ入会したばかりです。
それでは失礼致しましたm(__)m
Posted by: はんぱら | February 27, 2008 at 03:16 PM
はんぱらさん、はじめまして。
『3月のライオン』に反応して下さって
どうもありがとうございました。
コメントはいつでもお気軽にどうぞ。
小林恭二さんの『短歌パラダイス』、
お読みいただいているのですね。
あれから十年以上の時間が流れていますが、
現在、短歌を書いたり読んだりするのに、
参考になる要素がいろいろ含まれた本だと思います。
今後ともどうぞよろしくお願いします。
Posted by: 荻原裕幸 | February 27, 2008 at 07:24 PM