2008年3月11日(火)
それにしてもあたたかい。名古屋は四月下旬の陽気だという。午後、軽い運動のつもりで、家人とぶらぶら歩いて中食を買いに出る。通り道の公園では遊んだり憩ったりする人の数が増えていた。園内の桜が一本だけすでに咲きはじめている。昨年は気づかなかったが、早咲きの品種なのか、気の早い個体なのか。
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ブルゾンを脱ぎつつふかくにくみたり椿に帰属するその青き葉を/岡井隆
第十二歌集『五重奏のヴィオラ』(一九八六年)に収録された一首。下句の字余りは音読しても気づきにくいほどの些細な余剰だが、気づくと「その」が何かを強く主張しているのを感じる。一首のモチーフに即して考えれば、帰属感の拒否、か。短歌というフォルムにきもちよく収まってしまうことを拒んでいるように見える。歌集の配列では、一首前に「かのふかき一言をもてわれを射し官僚制はいま何食ひ居らむ」と同じような字余りがある。ただ、一首後は「一制度一日常のすみずみの帰属してゆくあはき寂しさ」とべたな正調となる。気づくと気づいたことをつい語りたくなるような、読者に向けて仕掛けた遊びの一つなのだろう。
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きょうの一首。鷹化して鳩と為る、で俳句を書いてみようと思っていて、気づいたら短歌になっていた。副産物なのか、副作用なのか。
妻化して鶴となるのを見たやうな悔いが残つてゐる春の部屋/荻原裕幸
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