2008年3月26日(水)
連日、朝から家人が出かける。留守番。
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丸の内ビルディングその美しき三月の影を踏むためにゆく/吉野裕之
第二歌集『ざわめく卵』(二〇〇七年)に収録された一首。「影を踏む」という生活的に無意味な行為のためだけに行ったのだとしたら、どこかに厭世観のようなものが漂うはずだが、ここに厭世観はないと思う。目的が別にあって、結果として影を踏むことになるのを、シンプルに反転させてこう表現したのだろう。丸ビルという場所の指定がうまく機能して、日常が非日常的なひかりのなかへと昇華されている。この歌も含め、歌集『ざわめく卵』には、あ、それをそうすればそこにことばのちからがたちあがるのか、と気づかせてくれる作品が多くある。
目の前の裸木の群れゆっくりとわれをあふれて風景となる/吉野裕之
妻のなかに苹果のようなものがあり異物であればそのままにする
眠りから覚めてふたたび眠るまで枇杷のかたちと色を思いぬ
怒りにはしないつもりの感情をそっと抱えていたりしばらく
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きょうの一首。ボーカロイドの性能と言うよりもたぶん作成者たちの情熱の賜物なのだとは思うが、ここまで調教(でいいのかな?)できるものなんだと感心する。
初音ミクの声に不覚のなみだして少しふやけたやうなゆふやけ/荻原裕幸
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