2008年4月17日(木)
舗装された歩道のところどころに、並木のための土を盛ったスペースがあって、この季節、並木の根のまわりに、人が植えたり撒いたりしたのではない草花が色々と顔を出している。外出時の通り道に何箇所か、きれいな雛罌粟が咲いているなと思っていたら、誰かが花だけを毟りとって無惨な感じになっていた。先日、公園や歩道の花が大量に荒らされる事件が続いたりもしていたが、人間のなかの何がそういうことをさせるのだろうか。
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ちづるにはカーブの多しひらがなで夜景の窓に大きく書いて/藤田千鶴
第一歌集『貿易風』(二〇〇七年)に収録された一首。「ちづる」はたしかにカーブの多い名前だが、他と比べてとりわけ多いとまでは思わない。そのことがむしろ、この描写に統覚が作用していないのを感じさせて、自分の半生や名前をつけた人のことをまっすぐに思う情景がリアルに浮かびあがる。歌集内の配置から読むと、父と自分をめぐる時間を思い返している場面のようだ。藤田さんの歌には、悲喜のいずれにせよ、事象のすべてを「一会」として捉えてゆこうとする感触があって、涙腺を刺激されるものが多い。以下、佳いと思ったものをあげておく。
キッチンの抽斗のように滑らかに納まりてゆく孝子の棺/藤田千鶴
お互いの時間の先にお互いがもういないのを知っている雲
新春のかるたあそびに妹のわきに積まれてゆく花のうた
舌赤く染めて硝子を食べているわたしが夏に産みしいきもの
「平行」を子に言うときに例に出す線路はつくづく寂しい道だ
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きょうの一首。少し整理をすると色々なものが出て来る。
狭いなりに深さがあつて書斎から身におぼえなき半券がでる/荻原裕幸
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