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April 25, 2008

2008年4月25日(金)

好天。午後、家人と所用で近所のコンビニへ。住宅街を抜けてゆくと、途中に、これまでは気づかなかった一戸建の借家があって、入居者募集の看板が出ていた。転居の予定はないのだが、なんとなくいい感じだったので、二人で外から間取りの見当をつけたり、家賃を推測したりする。

 紺青のスカートの裾たからかに誰のものでもない足がゆく/佐藤弓生

第二歌集『眼鏡屋は夕ぐれのために』(二〇〇六年)に収録された一首。的確な形容が見つからないが、颯爽とか無垢とか無敵とか、そのあたりを微妙な比率でブレンドすると、この一首にふさわしいことばが生まれそうだ。足が、誰のものでもあるかのように衆目にさらされる時代だが、そんな時代に与しない「誰のものでもない」という把握がおもしろい。他の誰のものでもない私の、であると同時に、私でさえ自由にならない、の意味も含まれているのだろう。以下、同歌集から好みの歌を。非現実的な傾向の強い作風ではあるが、現実の空間との接触面が多い作品にとりわけ良質なものがあると感じる。

 青空が折りたたまれてあるまひる曲がり角とはいたましい場所/佐藤弓生
 UFJ、みずほ、あさひをへめぐりてゆく間のまるでたからもの 雪
 これもまた天使 くまなくひらかれてこころをもたぬ牛乳パック
 真夜中の豆電球のこんこんとこの世の泉この世にひとり
 ことのはのあめふるゆめにいくたびもいってきますをいうための部屋

きょうの一首。

 饒舌になるほどむしろしづけさがひろがつてゆく辛夷のほとり/荻原裕幸

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