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April 29, 2008

2008年4月29日(火)

昭和の日。この曖昧なネーミングがうまく作用して、かつての「天長節」の印象とはどこか違った、昭和の文化を再考したり懐かしんだりする日、になるのならば、それはそれなりにいいのではないかと思ったりした。GW中のマンションの各戸は、出かけたり客を呼んだりしているらしい。ふだんとは違ったところが騒がしく、ふだんなら騒がしいはずのところが静かだった。夕刻になって栄に出かける。家人と懐かしい店に入ったり新しい店に入ったりする。

短歌誌「みぎわ」5月号、斉藤真伸さんの短歌時評で、このブログの3月29日付30日付の記事のことが扱われていた。先月の斉藤さんの時評への感想に意見をもらうことができた。斉藤さんは、「内面化」について補完した上で、小池光の「生存について」の一連について、ぼくが書いた「受容」の前段階であるはずの「葛藤」を問題にしたいという。「己の心のなかにこのナチス党員に似た非情さを見いだしたときの動揺が、作歌動機になったのではないか」。ぼく自身は、小池の淡々とした文体からそこまで読みとることはできなかったが、斉藤さんが何かの機会にあらためてこの一連について語ってくれるのを楽しみに待ちたいと思った。

きょうの一首。考えもレトリックもきわめて危うい感じだが、昭和の日に寄せてまとめてみた。北原白秋には「仏蘭西のみやび少女がさしかざす勿忘草の空いろの花」があり、石田波郷には「勿忘草わかものの墓標ばかりなり」があるが、これはこれでどうにか一首になり得ていると判断した。

 平和のために平和を捨てたわかものの勿忘草のそらいろの花/荻原裕幸

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