2008年7月1日(火)
七月となる。きょうは半夏生、というフレーズを、今年はよく見たり聞いたりした気がする。天気予報で豆知識風に紹介されるのはともかくとして、特に印象的だったのは、スーパーの折込チラシ。半夏生に蛸を食べると云々と、関西の食の習慣を紹介しながら、蛸フェアみたいな感じの構成になったものを見かけた。例年それほど注目されていない雑節なのに、今年はどうしたのだろう。
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あたらしき本にうす茶の一点がつきてわたしのものとなりゆく/吉野亜矢
第一歌集『滴る木』(二〇〇四年)に収録された一首。「うす茶の一点」は、珈琲か紅茶をほんとちょっとはねさせてしまった感じだろうか。それがさして気にならない人なら、そもそもこんな歌を書くはずはないし、もしかすると気づきさえしないかも知れない。こう書いている以上、たぶん、うわぁ、と叫びたくなるような瞬間のはずなのだが、慌てず騒がず、と、あきらめ、との中間のような位置から、淡々と、世界に一冊だけの本、わたしだけの本になった、という方向へ認識を折り曲げてゆく。冷静に考えれば些細なことのはずなのに、何か力強く励まされている感じになるのが不思議である。
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きょうの一首。一首をまとめたあとで、むかし実家の玄関に、武者小路実篤の「仲よき事は美くしき哉」という色紙のレプリカが飾ってあったのを思い出した。
Y家かN家おそらくN家マンションの谿間にひびく青き口論/荻原裕幸
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Comments
きれいな日付の日に、引いてくださってありがとうございます。
「認識を折り曲げる」って、おもしろい言葉ですね。
Posted by: 吉野亜矢 | July 05, 2008 at 10:38 PM
吉野亜矢さん、こんにちは。
早速読んで下さってありがとうございます。
新刊の本を読むのとはまた違った流れで、
歌集句集詩集をいろいろたどっていますが、
なぜかこの日にたどりつきました。
今後ともどうぞよろしくお願いします。
Posted by: 荻原裕幸 | July 06, 2008 at 10:54 PM