2008年7月5日(土)
暑い日が続く。名古屋の最高気温は三十四度近くになったらしい。先日、家人が水草を買って来て世話をはじめた。ウォーターポピーという浮葉性のもので、きちんと世話をすればきれいな花が咲くのだそうだ。荻原家の室内にいる植物は、放置していてもなぜか葉を中心とした緑の部分だけはやたらに元気よく育つ。逆にきちんと世話をしていても花がなかなか咲いてくれないことが多々ある。今度の水草はうまく咲いてくれるだろうか。
★
刊行されたばかりの詩集を数冊読んでいて、それが呼び水になって少し前に刊行されたある詩集を読み返していたら、何かがつながったように萩原健之さんがブログでその詩集のことを書いていた。驚きながら便乗してみる。
夏至のことは嘘ですねと尋ねると
彼は熱烈に日の傾きの恐ろしさを語った
あなたにはわからないのですか
日本の八月はすでに夕方
家を出るときはまだ暗く
家に帰るときはすでに暗い
受話器を上げる手は暗く
外に投げ出す足は暗い/安川奈緒
第一詩集『MELOPHOBIA』(二〇〇六年)に収録された「夏至を恨む」の一節。話者は見知らぬ「彼」を酔わせて、彼の夏を確かめたいと考える。彼の部屋で夏至への恐怖が語られる。話者はそれを勝手に自身への告白と解したり拒絶と解したりしながら、彼の夏へと近づいてゆく。幻想的な掌篇のような詩だが、むろん物語ではない。現実に着地点を得られないある種の妄想が、着地点を求めてさまようその動きのなかにだけ現実との接点を得ている、という奇妙な文体が構築されているようだ。
★
きょうの一首。妄想系。
ハンカチ一枚だけ吊るされたその窓を恋の途上と決めて眺める/荻原裕幸
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Comments
こんばんは。
はんぱら改め草(かや)です。
〈荻原家の室内にいる植物〉というところで
なんだか
今日の一首、妄想系なんですね。
修行が足りず…妄想系がわからず…ショック!
道のりは…遠い…です(泣)
Posted by: 草 | July 07, 2008 at 09:57 PM
草さん、こんにちは。
(かやさん、の、読み方をまちがえると、
野原に来たこどもの挨拶みたいですね。)
見た風景のあれこれを、恋の片鱗と思ってしまう、
という意味で、妄想的な歌、と言ってみたのでした。
文章や作品の意味がわからないときは、
基本的に書き手の側の責任、
ということにしてくださいませ。
Posted by: 荻原裕幸 | July 08, 2008 at 12:41 PM
ふたたびコンニチハ。
荻原さん!そんなことを言ったら、
私は殆どの歌人の方々の責任を問わなければならず…。
と愚痴っていても仕様がないので、歌集読みます!
(読んでいるとわかってくるものでしょうか…?)
ところで、みかんとももは、どちらに軍配が上がったのですか?
Posted by: 草 | July 08, 2008 at 03:00 PM
草さん、読む力を確実にのばすには、
ただ歌集を読むというのではなく、
他人の書いた解釈や鑑賞を読んだり、
自分で解釈や鑑賞を書いてみるのをお勧めします。
理詰めでは読めないので、慣れるためにも、
そういう練習のようなことが必要だと思います。
蜜柑と桃の件は、特に結論に向かうわけでもなく、
互いに好き勝手な主張をしあっていました。
ぼくは、桃は絶対に生、缶詰はあり得ない、
あり得ない、と言うか、犯罪行為に近い、
蜜柑はまあ缶詰でもいい、と主張しました。
Posted by: 荻原裕幸 | July 08, 2008 at 08:46 PM
こんばんは、それから
ありがとうございます。
歌集だけを読んでいるより、
他の方の書いた解釈や鑑賞を
読む方が好きでしたので
ちょっとホッとしました。
自分で書いてみるという事は
考えてもみませんでした。
これからやってみます。
くだものの缶詰は嫌いなのですが…
生では絶対食べられない!ももが
缶詰になっていると思います。
そんなことを考えていたら…
なんだか不憫になってきました。
しかし、
くだものの缶詰を愛する方々もいますので
大丈夫です。
七夕の、扇の一句、
え〜〜どこから?と気になり
やきにくの一首には、
大笑いさせていただきました。
何度も失礼いたしました。
Posted by: 草 | July 08, 2008 at 10:08 PM
草さん、短歌の解釈や鑑賞、
機会があればぜひ読ませて下さいね。
Posted by: 荻原裕幸 | July 10, 2008 at 12:32 PM
こんばんは。
大変な事態に青くなってます。
気長にお待ちいただけますか?
(三年はかかるかと思われます)
Posted by: 草 | July 10, 2008 at 11:18 PM
草さん、こんにちは。
昨夜、なぜかそういう流れになって、
トロピカルフルーツの缶詰を食べました。
解釈鑑賞の件は、
気長に待ちますから大丈夫ですよ。
と言うか、他人に読ませることよりも、
何よりも自分で解釈鑑賞して自分で楽しむ、
ということが大事だと思いますので、
読ませる云々はもちろん後回しでいいですよ。
Posted by: 荻原裕幸 | July 11, 2008 at 01:51 PM