2009年6月23日(火)
NHKのテレビ体操の番組で、いつの頃からか、三人の女性アシスタントの一人が椅子に坐って演技をするようになっていた。坐ったままでも体操ができるようにという配慮は、腰や脚や膝が悪い人とか、体力的に無理ができない人とか、デスクワークをしている途中の人とかに向けてのものなんだろうなと思っていたところ、最近では、三人のうちの二人が椅子に坐っているようだ。現在の日本の社会の意識がそこに反映されているということか。
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光る虫みることのなきこの街に曲がっても曲がっても道続きたり/江戸雪
第一歌集『百合オイル』(一九九七年)に収録された一首。「光る虫」とはたぶん螢のことなのだろう。詳細はわからないが、生まれ育った場所と現在いる場所との対比のなかに、もう戻れない場所に来たのだという、決意のような後悔のような微妙な感慨をにじませているようだ。暗くなっても光る虫はどこにもいない、と言うか、そもそも街は暗くならない。また、街には一本道を進んでゆく単純さやわかりやすさがない。直進することはできても、つねに左右に選択肢がひらかれていて、閉ざされているわけでもないのに、迷路のなかを移動している錯覚が生じる。四句目の字余りは、奥などどこにもないはずなのに、それでも奥が深いと感じさせる街路の感触を巧く見せていると思う。種田山頭火の「分け入つても分け入つても青い山」を反転させたような世界だ。
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きょうの一首。
半生のほぼすべての朝を瑞穂区にめざめてけふはあぢさゐの朝/荻原裕幸

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