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November 20, 2010

2010年11月20日(土)/牛乳と餡パン

早朝、近所のユニクロに人だかりや駐車場待ちの車の列ができているのに驚く。何が起きているのかと家人に訊いてみたところ、創業何十何周年のセールとかで、午前六時の開店であったらしい。先着百人は牛乳と餡パンが貰えるのだとか。たぶん他にも何か特典があるのだろうけれど。サッカーのJ1で名古屋グランパスがリーグ十八年目にして初優勝を決めたという。慶祝。この十八年というのは、長い時間だったのではないかと思う。

 それはもう思いだせないほどむかし草冠はかがやいていた/青柳守音

昨日に続き、第二歌集『風ノカミ』(二〇〇三年)に収録された一首。草冠、は、意味としては、植物全般のことだと読んでおいてさほど大きな間違いはないと思う。ただ、草冠、と言うからには、個々の植物を、名前や漢字を学びながら認識して来た幼い日若い日の時間全体が背景にあるのだと考えるべきか。大人になって、植物の名前や漢字を教える側になって、学んでいたときにはたしかにあったあのかがやきが、もはや同じ草冠の漢字のどこにも見出せなくなっていることに気づいたのだろう。具体的な場面としては描かれていないが、たとえば、手紙を書きながら、挨拶文に綴る植物の名前がどうしてこんなに、ふつうのもの、になってしまっているのかと驚き、少女時代に想いを馳せている一人の女性像をイメージしてみてもいいかも知れない。以下、同歌集で好きな作品を、他にも少し引用しておく。

 磨りガラス透してはいる朝の陽が家族のいない部屋を照らした/青柳守音
 羊歯の葉のみどりがほどけだす五月ねがいはひとつ羊歯になりたい
 留守電の沈黙のなかふりだしに戻らないかと遠雷が鳴る
 じりじりと施設にむかう父の背を並木の影の葉が撫でている
 こころへと降る雨がいままなざしにあふれでるのがわかるようやく

きょうの一首。

 冬景色としてぼんやりと見てゐたがオフィスの窓にある鉄格子/荻原裕幸

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