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November 28, 2010

2010年11月28日(日)/踊ってみた

アニメのエンディングで、キャラクターが本篇の印象を中途半端に壊すような感じで踊る何とか音頭とか何とかダンスみたいなのを見かけると心底うんざりする。無用な配慮のある緩い振付が、見ていて何の楽しさにもつながらないからだろう。「ハレ晴レユカイ」と「ハートキャッチ☆パラダイス」は、その点で画期的だと思った。ニコ動の踊ってみたの若い人たちがあれを踊っているのを見ると、巧拙を超えて、楽しい感じが広がる。バブル期にもなかった純粋な無目的がそこにあるような気がする。

一九九五年の六月から翌年三月まで、岩波書店の主催で、へるめす歌会が定期的に開催された。作家の小林恭二さんと当時の編集部の川上隆志さんの企画で、一九九七年に岩波新書になった小林さんの『短歌パラダイス』は、この歌会の産物である。若年層の元気の良い歌人を集めて、短歌の価値基準のスタンダードを再認識しようとするのがこの歌会の目的だったわけだが、自分にとっては、最悪かつ最良の、不思議なタイミングでの企画だった。最悪かつ最良と言うのは、この時期、自分の短歌観を一度リセットしたいと考えていたためで、約一時間で席題による題詠三首ないし四首を求められるへるめす歌会のシステムは、当時の自分にとっては苦痛と新しい発見との連続だった。題詠しかも得票をベースにする歌会、へるめす歌会以後、自分はそうした状況のなかに好んで身を置いて来た。短歌観の相違を超えて他者に届く作品につながるヒントが、歌会をはじめとした「場」のなかにあるのではないかと考えはじめていたのだった。

きょうの一首。

 バス停前のむかしながらの金物屋を出て来る若き父のまぼろし/荻原裕幸

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