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November 29, 2010

2010年11月29日(月)/憂国忌のあとさき

憂国忌のあとさきには、なんとなく澁澤龍彦の『三島由紀夫おぼえがき』(一九八三年)をひらいてしまう。三島由紀夫自身の作品ではなく、澁澤のエッセイに手を伸ばすのは、考えてみれば奇妙な行動だが、たぶん、三島の世界を、自分がもっとも惹かれるアングルから見ていたのが澁澤龍彦なのだと思う。午後、同朋大学へ。文章表現の講義の八回目。きょうは、俳句について。まずは、季語/季題というルールの意味について概論を語った。

短歌のテーマや方法について、無自覚に書き進めることを自分は好まないが、そうは言いながら、青写真に従って何かを書くわけではなくて、いつも作品を書いた後で自覚的になろうとしているに過ぎない。むしろ自覚的になり過ぎると、テーマや方法の形骸をなぞっているだけの状態になって、作品がまとまらなくなる。一九九五年頃からしばらくは、この、自覚的になり過ぎて作品がまとまらなくなる、という状態に繰り返し悩まされた。ニューウェーブとしての何にこだわり続け、何にはもうこだわらないのかとか、何に新しい方向性を見出すのかとか、そうした外からの自分の姿を意識し過ぎたからだと思われる。自分が楽しんで書いた歌を、歌会の仲間に楽しんで読んでもらおう、という姿勢が保てるようになったとき、この悩みからはおのずと解放されることになった。自分が「場」の問題にこだわって来たのには、おそらくそうした経緯も影響しているのだろう。

きょうの一首。

 好感を抱くひとに挨拶するときのまなざしで冬の朝を見てゐる/荻原裕幸

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