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November 09, 2010

2010年11月9日(火)/青柳守音さん

来年、永井陽子さんについて講演をすることになって、詳細が決まったら青柳守音さんに電話を入れておこうかなとメモを書いた。そのときなぜかにわかに彼女の歌集を読み直してみようと思い立ち、初読のときに見落としていた佳い作品があるなと気づいて付箋を入れはじめたのが先週のこと。その青柳さんが四日の日に亡くなったという話を聞いて愕然とした。はっきりと年齢を聞いたことはなかったが、荻原さんとは十歳くらい違う、と言って笑っていた。まだ五十代だったのだと思う。

青柳守音さんとはじめて会ったときのことはほとんど憶えていないし、いつのことなのかも記憶がさだかではない。たぶん一九九〇年代のどこかの短歌のイベントでのことだったと思う。互いに縁の浅くない歌人が重なっていたことだけはしっかり記憶に残ったが、以後親しい交流が生じるということにはならなかった。それが、黒衣(企画を進めながらその企画の表にはほとんど顔を出さないという意味での黒衣)同士として話をするようになったのは、永井陽子さんの死後に刊行されることになった永井さんの三冊の本のことがきっかけだったと思う。荻原さんにこういう相談の仕方をするのはもうしわけないけど、と言いながら話をはじめる彼女の、永井さんをはじめとした特定の人々に対する異常なまでの情熱に圧倒されて、そのコンセプトや方法が対象を顕彰することにきちんとつながるか、貶めることにはならないか、しばしば事細かなチェックをすることになった。友人とこちらから呼べるほどに親しいわけではなく、所属する集団などが重なることもなかったのに、何か不思議な縁だった。数々の対話のなかで、彼女が、藤原龍一郎さんを会社の頼れる上司のように、宇田川寛之さんを同じ部署の親しい同僚のように語るのは印象的なことの一つだったが、ならば自分はどんなポジションにいる存在だったのだろうか。

きょうの一首。瀬戸電は名鉄瀬戸線。以前、仕事で某所に通うときに利用していたことがある。混む時間帯は混むのだが。

 無人よりもむしろしづかに揺れながら冬日ひろがる瀬戸電の床/荻原裕幸

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