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January 12, 2011

明星の氷る朝の雑記

寒い朝が続く。金星の氷りついたひかりが美しい。先日、秋の終りにうけた健康診断の細かな結果が出た。矯正視力があまりよくないので、要経過観察。それと問診のときにも言われたことで、禁煙して下さい。その他はすべて、異常なし、だった。それなりにすっきりとした気分になる。むかし、健康にまつわる話を父にすると、うれしそうな表情を浮かべて、臍が曲がってると言われなかったかとかしょうもないことを言われたのを思い出した。たぶん父はいまでも同じことを言うだろう。

短歌誌「井泉」一月号(第三十七号)が届いた。リレー評論の外部寄稿として「短歌の『修辞レベルでの武装解除』を考える/95年以降の表現の変質について」というテーマで評論を出稿した。個別のタイトルは「私と口語とレトリック」。四百字で約十一枚の分量である。寺山修司の、私をめぐる表現論のあたりから出発して、一九八〇年代の女歌のこと、ライトヴァースのこと、一九九〇年代に入ってのニューウェーブのこと、そしてゼロ年代までを、大雑把にスケッチして、個々の事象に関する私の考えを簡単にまとめてみた。紙幅があって、二倍ほどの量のメモを書いて短くしたために、具体的な作品に触れることができたのは永井祐さんの二首だけとなったが、私見としての見取図的なものにまとまったのではないかと思う。同時代の短歌を考えるにあたって、参照してもらえれば幸いである。

一月四日に東西句会の例会があった。午後、東別院の名古屋市女性会館へ。今回の出席者は、ゲストの中村正幸さんと加藤哲也さんを含めて七人。雑詠五句を提出。新年句会ということで、まずは食事と歓談をしてから句会へと入る。いつものように無記名での互選と合評が進められてゆく。句会後、会場近隣のコメダ珈琲店で、引き続き俳句についてあれこれと話す。句会に提出した俳句は以下の五句。欠席者一名の選句もあわせると、順に、四票、一票、二票、一票、一票だった。七句選としたので、私以外の票の総数が三十五票。票の占有率は二割五分七厘だった。

 二階から氷りますかと声がする/荻原裕幸
 ☆のある岩波文庫とマフラーと
 風に影ゆれて新年おめでたう
 窓にすこし脂の残る去年今年
 いつの間にこんな処に冬木立

備忘録的に。詳細などはあらためて。三月、愛知県立大学の国文学会で、永井陽子さんの短歌について講演をする。四月、青柳守音さんを追悼する集会に出演者的に参加する。また某氏の歌集批評会のパネリストの依頼があって承諾の返信をこれから書くところ。七月、某短歌結社の記念の大会のシンポジウムに出演する。九月、某川柳誌の企画するシンポジウムへの出演依頼があって承諾の返信をこれから書くところ。一年がこうして徐々に構成されてゆくんだなあと、私自身をどこからか見ているもう一人の私が、不思議そうな表情を浮かべて眺めている。

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Comments

ご無沙汰しております。
県大国文学会の講演ですか、
それはぜひぜひ行きたいですね・・・

お休みの都合をなんとかつけたいところですが。
(ついたら千葉から日帰りで馳せ参じますよ~)

Posted by: 原 梓 | January 19, 2011 at 09:03 PM

>原梓さん

コメントどうもありがとう。
くだんの講演は、3月16日(水)です。
詳しくはまた書くつもりですが、
開始が午前10時半からなので、
日帰りとか言ってるし(笑)、
とりいそぎお知らせしておきます。

Posted by: 荻原裕幸 | January 20, 2011 at 11:01 AM

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