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November 10, 2012

2012年11月10日(土)/土曜小景

午後、マンションの中庭から、うーえかしーたかまんなかか、という女の子たちの掛声が聞こえはじめた。上か下か真ん中か。書斎の窓からは姿が見えないので、どんな遊びだったか、思い出すのに時間がかかった。途中から女の子たちの声のなかに一人だけ男の子の声が混ざる。小一時間ばかり続いていたろうか。やがて、誰もいなくなったようで、しんとした土曜の午後の感じが戻って来た。書斎のパソコン、時計の秒針、換気扇、近隣の鳥の声、大通りの自動車の音が、ほぼ同じ音量で、静けさを構成していた。

詩と詩論を核とした文芸誌「イリプス」第十号が刊行された。年二回刊の雑誌なので、すでに五年が過ぎたことになる。私は、第八号までは毎号、このブログの「きょうの一首」を選んで構成した緩やかな連作を出稿していた。第九号と第十号には、短歌ではない作品を出稿した。前号には「私ではない何かに献ずる五十句」と題した川柳を、今号には「わたしを遮断するための五十句」と題した俳句を。いずれも近年の作品から選んで五十句を構成したものだ。まだまだ青臭い感じだが、印刷物による発表が、私自身のステップになることをあてにしているのである。次号にはまた短歌を出稿するつもりでいる。

きょうの一首。ちなみに私は、大根おろしが嫌いなわけではない。むしろ好物に入る。ことに焼魚ととりあわせて食べるのが好きだ。荻原家ではなぜか、大根をおろすのは私の分担で、その点でも親しみのある食材なのである。こんな比喩に使用してもうしわけないなどと感じながら。

 懸案どれも半透明のぐちやぐちやに大根おろしに似て週終る/荻原裕幸

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