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December 03, 2012

2012年12月3日(月)/名歌明快

中央自動車道、笹子トンネルでの惨事で、助けを求める悲鳴を聞いたという人が、テレビの報道の質問に答えていた。無表情に近いように見えた。責任感の強い人なんだろうなと思う。悲鳴の重さに自身が潰されないよう、興奮状態で変に明るい饒舌になるか、しばらく他人とは口を利かないか、そうなってもしかたないほどの状況なのに。天井の崩落の原因は劣化によるものらしい。管理会社は早々に検査の不備を認めているという。

きょうは同朋大学の文章表現の講義の日だった。先々週からの流れで、定型詩についての簡単なまとめをしてから、短歌の解釈ないしは鑑賞をしてもらうことにした。栗木京子さんの、例の「観覧車」の一首を、ほとんど何の説明もないまま見せて、自由に書いてもらったところ、それぞれに個性的な解釈や鑑賞ではあったが、すべての学生が、恋愛をめぐる感覚について、要点をきちんと読めていた。けだし名歌とはそのようなものなのだろう。短歌においては、明快である、ということに、私はいまだに抵抗感がある。どれほど明快であろうとしても、その抵抗感が、何かしら私のことばを曇らせる。日のひかりを正面から浴びているような文体にはならない。難儀な資質である。

きょうの一首。恋人は要らないの、ともその人は言った。であれば、二番目であることにはそれなりの価値もあったのだろう。すべてかゼロかで考える必要はなかったのかも知れない。しかし、それを価値だと感じられるほど私は大人ではなかった。もちろんいまだってそういう意味での大人ではない。

 二番目に好きよだなんてたぶんもうどうにもならぬ冬の夕焼/荻原裕幸

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