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January 01, 2013

2013年1月1日(火)/春風献上

平成二十五年癸巳元日。毎年のことだが、除夜の鐘が除去し切れなかった煩悩を抱えて正月を迎えた。若い頃にぼんやりとイメージしていた五十歳は、こんな煩悩のかたまりのような存在ではなかったなあと思う。ともあれ、新年である。八月生れの私の、満五十歳の、後半の方を含む一年がはじまった。あなたが、私が、私たちが、日本が、そして世界が、穏やかで明るい方向に動いてゆく、どうかそんな一年でありますように。

義母と義姉と家人と四人、義姉のマンションで初日の出を拝む。日の出前、空全体が明るんで来て、やがて、南東の丘陵のあたりに薄く広がる雲が、オレンジ色に染まった。日が昇りはじめると、丘陵と薄雲は刻々と表情を変える。太陽のかたちがはっきりするまで、じっと見つめていたものだから、しばらく眼のなかに残像があった。外に出ると、西空に有明の月、徹夜をした私は、氏神を祀る近所の神社に四人で参拝したあと、午後までぐっすりと眠る。ほどよいところで目を覚まし、家人のつくる雑煮を食べた。荻原家の雑煮は、白だし系の味で、鶏肉、冬菜、根菜、蒲鉾、銀杏、鰹節、それにお餅が入っている。そう言えば、どこから受け継いだ味なのか、聞いたことも訊いたこともないけれど、十数年来、その雑煮を食べて正月を過ごしているのだった。

きょうの一首。年のはじめの、平凡な一生活者の日常空間である。それ以上でも以下でもないところで、現在的な表現を探る、というのが、昨今の私のスタンスと言えるかも知れない。一昨年の東日本大震災のあと、この傾向はさらに強くなったと思う。変化すべきか、磨きをかけるべきか、迷うところだが、何かそうした二者択一は、根本から間違っている気もする。

 それはしづかな時間の底に鳴りひびく新年のはじめの鍵の音/荻原裕幸

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